修了生からのメッセージ

今井亜伊子さん

絵本屋さん養成講座 プロフェッショナルコース 修了生

きんだあらんど認定店 『絵本屋ほわほわ』店主 

 

 第2回、「講演の実践」の講義が大変良かったです。最初の挨拶から結びまで、とても詳しく教えてくださり、さらに、「芸の上達とは、まねる、まねぶ、まなぶ、である。まずは、師の芸を徹底的に真似して覚えることを心がけてください。」というありがたいお言葉までいただき、何の実績もない私は、まずは師匠の講演を徹底的に真似しようと決意しました。

 ところが実際に真似をしようとすると、何度も教えていただいてわかったつもりでいた内容でも、いかに理解できていないかがわかりました。聞いて理解していることと、それを人に教えることは全然違うことだと改めて痛感しました。

 一つ一つ丁寧に講義の内容を復習しながら、自分で語れるように何度も練習し、絵本好きの知り合いに聞いてもらったところ、とても喜んでもらえ、私から絵本を買いたいと言ってくださり、私の絵本屋はスタートしました。

 また、蓮岡さんが、毎回、受講生の細かい質問に一つ一つ丁寧に答えてくださったので、疑問がすっきりと解消でき、また、他の方の質問の回答を聞くのも大変参考になり、絵本屋開業への道が加速しました。

 さらに、プロフェッショナルコースでは、対象の絵本について意見を交わすディスカッションにも重点が置かれていました。大勢の前で話すことが苦手な私ですが、緊張しながらも自分の意見を伝え、他の受講生の方や蓮岡さんのご意見を聞くことで、自分では思いつかないような新たな視点を得ることもあり、毎回とても有意義な時間でした。

 また、定期的に皆さんと顔を合わせて(時に画面越しで)話し合ううちに、他の受講生の方が、一生付き合いたいと思える大切な仲間になっていきました。私は、もちろん、扱う絵本の質にとことんこだわっていく覚悟ですが、巷には、絵本なら何でもOKという絵本の専門家も多い中、信念をもって活動するのは、なかなか大変です。「深く考えずに好きな絵本を楽しめばいい。」「考え方が真面目すぎる。」などと言われる場面も出てきます。

 そんな時に、志の同じ仲間がいることは、どんなに心強い励みになるでしょうか。

 好きな絵本を楽しむことはもちろん大切ですが、大人の好きな本が子どもの心を圧迫することもあります。また、質にこだわらない絵本の専門家や一般読者が増えると、質の高い絵本が、絶版や品切れに追い込まれるのです。子どもたちの心にそっと深く届き、心をあたたかく灯し、押し上げてくれるような絵本がなくなってしまうのです。これまで、強い信念を持って、たくさんの質の高い楽しい絵本を残してくれた、尊敬している作家、児童文学者、出版社、編集者の方々にも顔向けできません。

 日本の絵本の質を高めて、小さな平和を広げる仲間を一人でも多く増やして、ともに活動していきたいと願っています。プロフェッショナルコースを通して、蓮岡さんから、質の高い絵本で小さな平和を広げるという熱い思い、そして、利他で生きる精神を学び、私は、生き方の軸が定まりました。そのような貴重な場を与えてくださったことに大変感謝しています。

 

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pdf レポート【講演の実践】取材2023月.pdf (0.92MB)